Elegance of Africa

知恵があり、ストイックで、深い内面のつながりを持つアフリカゾウには、草原に暮らす群れと熱帯雨林に暮らす群れが存在します。彼らは、アフリカ大陸の美しさの象徴であり、彼らを取りまく生態系で大きな役割を担っています。家族の強い絆と知性に溢れた彼らの姿は、私たちのElegance of Africaコレクションのメインキャラクターです。 目を引く新しいカラーのグレージュと822面のクリスタルファセットで形作られたSCS 2022年度限定作品 Elephant Fayolaをフィーチャーしたこの新しいクリスタルクリエーションは、群れを率いるゾウのおばあちゃんの優美さと力強さを表しています。 

マルティン・ツェンドロン氏がデザインした息を呑むようなこのクリスタルクリエーションの発表を記念して、アフリカゾウの不思議について様々な情報を集めました。 

アフリカゾウは、アフリカの中央部から西部にわたる熱帯雨林から、サハラ砂漠の南の地域にあるサバンナまで生息しています。アフリカゾウの耳の形は広大なアフリカ大陸の形に似ているのに対し、同じ象でもアジアゾウの耳はインド亜大陸の形をしています。 

アフリカゾウは家族の長をメスが務める母権制で、彼女が群れのリーダーとして群れを率いながら、長い移動をおこないます。SCS 2022年度限定作品 Elephant Fayolaはこの群れのリーダーをモデルにしており、Fayolaはアフリカの言葉で「栄誉と共に歩く」という意味です。誇りと強さを持ち、最年長で最も経験を積んだゾウのおばあちゃんが群れを統率します。群れは通常、3匹から25匹ぐらいのゾウで構成されています。 

優しい巨大なこの動物は、セレンゲティの広大な平原の暑さの中でも、悠々と暮らしています。陸上で最も大きい動物で、背の高さは2.4～4m近くもあり、体重は2.2～6.4トンほどにもなります。この大きな体を維持し、移動し続ける生態から、一日の4分の3を食べ物を探すのに費やすのも不思議ではありません。

ゾウの特徴はその勇壮な姿だけではありません。彼らは、照り付ける強い日差しの下で過酷な状態に対応できるよう進化した素晴らしい体の構造をしています。アフリカ草原の焼けるような暑さでも、彼らの皮膚は涼しくいられるようにできており、日焼けもしないのです。2.5cmもの厚みがある強い皮膚には体中にしわがあり、水分の蒸発を防いでいます。この驚異的な皮膚を、SCS Elephant初の新しいカラー、グレージュを使ったクリスタルで再現しました。実は、ゾウの皮膚は私たちが想像するほど丈夫ではないので、彼らは強い日差しから皮膚を守るために背中に砂をかけます。これも、彼らが生きる上での工夫の現れです。 
 
非常に高い知性を持つダイナミックなこの動物は、この世に生を受けてわずか20分後には、自分の足で立つことができるようになります。そんな感動の瞬間をとらえたのが、クリスタルでできたゾウの赤ちゃんMadisaです。生まれて2日後には群れと一緒に歩けるようになり、タンザニア北部に位置するセレンゲティを移動する群れを導くおばあちゃんゾウFayolaの温かい目に見守られながら、他のゾウたちと一緒に移動を続けます。 

ゾウは物を持ち上げたり、食べ物を見つけたり、木の皮をはいだり、あるいは敵の攻撃から身をまもったりする時、その大きな牙を使いますが、この牙は実は歯の一部で、多くの重要な行動をおこなうために発達したものです。力強く大きく、エナメル質で覆われた牙はアフリカゾウのオスにもメスにもみられるもので、人間に利き手があるように、ゾウにもよく使うほうの牙があります。 

自然の作る最高のデザインの一つであるゾウの牙は、私たちの想像以上に様々なことができます。この万能な牙の根元は素晴らしい筋肉で支えられており、木の根を引き抜いたり、小さなものを拾ったり、あるいは葉っぱをむしったり、力強さと柔軟性を兼ね備えています。ゾウの牙には、匂いを嗅いだり、水を飲んだり浴びたり、さらには何キロも離れた場所からでもコミュニケーションを取れる不思議な能力があります。ゾウは牙を使って地震信号、つまり地面を揺らして信号を送ることができ、他の動物も骨でそれを感じ取ります。 
 

こんな素晴らしいゾウたちが今危険にさらされているのをご存じですか。悲しいことに、違法な象牙取引により、過去100年間でアフリカゾウの10匹中9匹が犠牲となり、現在、野生のゾウは41万5,000頭しか残っていません。私たちは、この美しい生き物を大切に保護し、地球上での彼らの居場所を保護しなければならないこと痛感させられます。 

おばあちゃんゾウのストイックな美しさを表現したクリスタルクリエーションは、この素晴らしい生き物の優しい性質に光を当て、アフリカゾウとその生息地を守る必要性を再認識させることを願っています。

Elephant Fayolaの制作過程に関する記事はこちら